アメリカの利下げと量的金融緩和!コロナショックには効いていない!?

今週月曜日早朝に2回目の緊急会合をもって、2週間の間に実に1.5%もの利下げと7,000憶ドル(75.6兆円)もの量的緩和を決めたFRBは株価が下げ止まらないのを観て、昨日は企業の資金繰りをサポートするためにコマーシャルペーパーの買い入れを決定、またトランプ政権は個人への現金支給や航空業界への補助金等を含めトータル1兆ドル(100兆円)に及ぶ経済支援などを計画中との発表をしました。

その効果があって米国ダウは一昨日の下げの3分の1程度が反発した形です。

コマーシャルペーパーというのは企業が短期資金調達の目的で発行する無担保の約束手形のことです。

無担保なので、ある程度の信用のある企業のみしか発行できません。

そういう意味では社債に似ていますが、期間は3カ月とか1年とかの短期になります。

新型コロナウイルスの影響で、売り上げが激減している会社にとっては資金繰りが途端に厳しくなっていますので、一刻の猶予もありません。

その点で政府、中央銀行が取るべきの必要な政策とは思いますが、信用の少ない零細企業にはこの恩恵があるとは思えません。

そういう企業は残念ながら倒産をせざるを得ないことになってしまうのかもしれません。

そういうことも鑑みトランプ政権はリーマンの時にもやった現金支給も行うようです。

「ヒト」ー「モノ」ー「カネ」のうち今回の新型コロナウイルスによるダメージは「モノ」ー「カネ」が止まった状態なので、外出できない人々の消費意欲はかなり低くなっていると思いますが、お金を配って使ってもらう政策です。

この実際にキャッシュを国民に配る政策は狭義のヘリコプターマネ-というらしいのですが、この言葉はミルトン・フリードマンが最初に使ったもののようです。

前FRB議長だったベン・バーナンキさんがリーマンショック時に論じて注目された言葉です。

米国のやることはいつも迅速で力強いですね。

このFRBの発表で、米株は1,000ドル強急騰しました。

もっともこの急騰でも、月曜日に下げた3,000ドルのたったの3分の一なので、残念ながら株価が反転したとは程遠い状態です。

その証拠に、今晩(3/18)の米国は再び下がりそうです。

それにしても、日本政府も早く米国に追随して欲しいものです。

相変わらず日銀頼りで、「非常事態宣言」が法制化されましたが、非常事態宣言は時期尚早、従って中小、零細企業や国民が一刻も早く必要としている経済対策の具対案がまだ公にされていません。

今回はリーマンショック並みあるいはそれ以上のことが起こってきているので、消費減税されるべきですが、一人当たり5万円~10万円というばら撒きが検討されているように報道されています。

長い間デフレがつづいている日本のデフレ対策で、特にアベノミクスでは黒田総裁がヘリコプターマネ―で国債を買いまくり今に至っています。

ヘリマネの欠点はインフレが起こってしまうことらしいのですが、日銀が唱える2%インフレですら起こっていません。

まだまだばら撒きが足らないのかもしれません。

2012年以来のアベノミクスで日銀がやってきた国債購入というヘリマネでは、お金の大部分は日銀の当座預金にブタ積みされた状態なので、市中にはまったくと言ってよいほどお金が出回っている感触はありません。

少なくとも一般的な個々人には恩恵が回ってきていないことを考えると、この際直接ばら撒いてほしいものです。

この現金を配る政策ですが、これに必要な額は18歳以上の1億人の日本人一人当たり10万円ずつなら10兆円。

一人5万円くらいを実際に検討中との話は聞こえてきますが、法制化、実行には随分と時間がかかってしまうようです。

米国ですら前回2か月くらい時間がかかっていたようです。

さて、FRB、米国政府の大胆で迅速な動きにもかかわらず、気になるのはその後のマーケットの反応です。

明らかに今回は効いていないようなのです。

今回は新型コロナウイルスが原因なので、実体経済が正常に戻るためにはワクチン開発か感染を抑え込むしか方法がないように思いますが、他に方法がないので仕方なかったとはいえ、安易にリーマン時と同じ薬を大量に処方したことになったのかもしれません。

FRBによる『株の下げには利下げと量的緩和』という過去の成功体験に基づいた政策でした。

それにしてもあまりに性急な一回で手の内を全部出した感は否めないです。

リーマンの時のような「カネ」の収縮ではない問題だったので、効かなかったらどうしようとプランBは用意しなかったのでしょうか?

病気と処方される薬の関係で考えてみましょう。

日銀の打つ手は限られているのであまり期待はしていませんでしたが、FRBの大幅利下げ、量的緩和、コマーシャルペーパーの買い上げ、トランプ政権の個人への現金供与を含めた1兆ドルの経済対策と満額回答に近い大量の薬の投与にもかかわらず、効いていない!

今回の病気は抗生物質を投与しすぎて病気のほうに耐性ができてしまって受け付けないような状態に病原菌が変異してしまった結果なのかもしれません。

あるいは、病気の原因がウイルスではなく菌と間違った処方でこれまでの抗生物質を投与し続けているといったそんな状態なのかもしれません。

大量投与の薬の後遺症のほうが気になります。

この薬の大量投与は株価が上がるまで行われます。

このまま株価の上昇が起こらない場合は、各国の中央銀行や政府も残された手段はあまり残っていないと思いますが、次の手立て、その次の手立てと実行していくに違いありません。

放り出すわけにはいかないからです。

既にpoint of no return(もう戻れないポイント)を過ぎてしまっていないでしょうか?

そうなると結果、必要以上の不要な抗生物質を間違って大量に投与してしまったということになります。

米国の財務長官が今回の問題で失業率が20%に達する可能性もあると警告を出しています。

また日銀黒田総裁は本日の参院金融委員会で日銀の日経ポジションの含み損は2~3兆円になっていると報告しています。

日銀の日経平均のブレークイーブンは19,500円なので毎日1200億円もの買い支えを行っているにもかかわらず株価を支えきれていません。

でも日銀としては、おそらくGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の評価損も巨大になっているでしょうから、下がっても下がってもナンピンを繰り返すしかありません。

いずれにせよ、この新型コロナウイルス問題はいつかは終わるタイミングは来るでしょう。

それが、2~3カ月後というくらいの比較的近いタイミングなのかあるいは年単位の話になってしまうのか?

ワクチンが開発されるのかあるいは自然に収まっていくのか?

時間がまだかかる場合は「ヒト」ー「モノ」がまだ年単位で動かなくなるということなので、想像するだけで恐ろしいです。

「景気後退」レベルどころの話ではなく「世界恐慌」にも陥る可能性も出てきます。

しかし、観方を変えて新しい時代になるきっかけになるかもしれません。

日本政府の要請によると、特に先月あたりから学校の休校、自主的に不要不急の外出は控える、大きいイベントは控えるような状況になっています。

仕事も、可能な限りテレワークが少しずつ浸透し始めているような状態です。

このまま長期的にこの新たなワークスタイル、ライフスタイルが出来上がってくると、解決後もなかなか元に戻れない時代に変わるのかしれません。

21世紀の新しい仕事の仕方、人生の送り方が新たに定着するきっかけになるかもしれません。

通勤する会社事務所はなく、5G、6G時代のテレワークに変わっていくのです。

そうすれば、ウイルスも自然消滅するかもしれません。勿論、職種によってはそうならない

場合もありますが、人が移動しなくなると変化を余儀なくさせられることになります。

さて、マーケット的には、新型コロナウイルス問題がようやく終わったという段階でどうなっているでしょうか?薬の大量投与が行われ続けているものの、現存する株価は上がりません。

大量のマネーという後遺症が出てこないとも限りません。

どんな後遺症でしょうか?世界経済活動がもとに戻らないまま、大インフレとなる状態。

経済活動は停滞したままでインフレ、つまり長期的なスタグフレーションの世界?

最終的には人類は解決策を見出すでしょうが、しばらくは世界経済のπ(パイ)が縮まる可能性も考えて準備しておいたほうが良いかもしれません。

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著者プロフィール

ウィンインベストジャパン( ) 齊藤トモラニ 老舗FXスクール代表。 FX会社主催のセミナー講師としても活躍する。 著書に『簡単サインで「安全地帯」を狙うFXデイトレード』 ロンドンfxの松崎美子さんと一緒にYouTube「fxの流儀」を配信中 <FXの流儀youtubeチャンネル>

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