世界一のヘッジファンドが大負け!今回の暴落相場はヘッジファンドも苦しめる

世界一のヘッジファンド 大負け
  • 今回の新型コロナウイルスによる株価の下げはヘッジファンドにとっても厳しいマーケットになっているようです。

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特に驚いたのは、世界最大のヘッジファンド会社であるブリッジウォーターアソシエイツが、新型コロナウイルスの影響で大きな打撃を被ったことです。

3月18日のウォールストリート・ジャーナルによると、ブリッジウォーターのファンドの一つであるAll Weather Fund(全天候型ファンド)は、今年のパフォーマンスは先週月曜日までで14%ダウンとか。また同社の基幹マクロファンドであるPure Alphaは21%減少となったようです。

ヘッジファンドとしてはこの打撃は極めて大きいです。取返しがつかないレベルかもしれません。顧客との契約がどうなっているのか反判りませんが、通常は(たとえば)10~20%ダウンすれば顧客に資金を返還するというような条項があるのが通常です。たとえそのレベルまで到達していなかったとしても引き出しを言ってくる顧客は相当数いると思われます。今後この辺のニュースが流れてくるかもしれません。

ブリッジウォーターアソシエイツはレイ・ダリオというファンドマネージャーが1975年に設立して以来過去2-3回年間数パーセントのマイナスになったこともありましたが、それ以外はプラスで、特に2018年ほとんどのファンドが赤だった年にもプラスになっておりその信頼性は業界一でその運用額は1,600憶ドル(17兆円)と世界最大のヘッジファンドです。

ブリッジウォーターに資産を預けていたのは350社(団体)にも及びますが、公的年金、大学基金、慈善財団、超国家機関、ソブリンウェルスファンド、中央銀行まで預けています。

ブリッジウォーターアソシエイツの基幹ファンドであるアルファ戦略とは、資金の運用において、市場全体の動きと乖離したリターンを求める投資戦略のことです。他の言い方をすると、運用者の判断による積極的な投資を行うということになります。

運用者の判断というのは、(グローバル)マクロ投資戦略の基本です。市場全体の動きに連動したリターンであるベータ(β)とは違うということで、アルファ(α)戦略と呼ばれます。

memo
アルファ(α)戦略:運用者の判断による積極的な投資戦略、市場全体の動きと乖離したリターンを求める投資戦略のこと
ベータ(β)戦略:資金運用で、市場全体の動きと連動したリターンを求める投資戦略

 

グローバルマクロの代表選手と言えばジョージ・ソロスがいます。「イングランド銀行を潰した男」として知られていますが、イギリスの経済力に比べて英国ポンドが政府により無理に高く固定されていると考えていたようです。英国ポンドは過大評価されている!として1992年にポンド売りを仕掛けて、英国の財務相(当時イングランド銀行は独立性がなかったので)に打ち勝ったのはあまりに有名です。

ウィキペディアによると、以下のようにあります。

当時のイギリスは欧州為替相場メカニズム (ERM) に従い、自国通貨ポンドと欧州他国通貨との相場を、将来の欧州共通通貨ユーロ導入に向け、一定範囲に固定する政策を取っていた。1992年になると欧州経済圏統合の形を具体的に定めたマーストリヒト条約が調印され、その中で「政治統合無しの通貨統合を行う」と謡われていたことから、ユーロ導入が進むことでユーロ採用国が自国経済調節のため打ち出す金融政策の柔軟性は失われて行くであろうことが予想された。

出典:http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%83%A7%E3%83%BC%E3%82%B8%E3%83%BB%E3%82%BD%E3%83%AD%E3%82%B9

ユーロ通貨が導入されたのが1999年。その7年前の出来事ですが、この年のポンドドルの高値は9月8日の2.01。今とははるかに上のレベルです。それで英国は英国病から脱することができなかったと言えます。それをソロスはレバレッジを使って狙い撃ちし、イングランド銀行は介入と利上げで応戦しましたが、あっけなくそのレベルは崩され、翌年の2月16日に1.406まで売り込まれました。

このようなマクロ戦略は誰でもできるものでもありませんが、ソロスでも読み通りに行かなければソロスファンドは大負けになるところでした。

そういうリスクを伴うものの、それでも公的基金や数々の財団、ソブリンウェルスファンドまで運用を任せるということはブリッジウォーターの信頼度は大したものです。

マクロ戦略は株価指数が下がっても絶対的な利益を追求する戦略ですが、そのようなリスクの高いものだけとは限りません。

今回のような株価の暴落の時に利益を狙ってくるショート戦略のヘッジファンドもあります。ショート戦略ファンドは株価が上昇しているときは利益を出せませんが(ほぼマイナスが続きます)、現在のような暴落相場は大得意です。

リスクをあまりとらない戦略もあります。まったくとらないもので有名なものはアービトラージ戦略と呼ばれるもので、AマーケットとBマーケットのひずみをとっていくスタイルです。債券のひずみを狙ったベーシス戦略などはこの一つの形だと思われます。

その他、リスクを抑えるオーソドックスな戦略として挙げられるのは、ポートフォリオを組んで基本的にはどんな時もプラスに持っていけると言われている戦略です。

例えば、株ロング、米国債ロング、金ロング、コモディティのポートフォリオは非常に一般的です。たとえば株式30%、国債50%、金10%その他コモディティ10%とかで積極的にリスクをとる価値のある株式マーケット、コモディティマーケットに加えリスクの少ない国債の利回り狙い、それにリスクオフの時のの金ロングでヘッジというような具合です。世の中が悪いときは国債の比率をもっと増やし、よい場合は国債を減らして株式の比率を増やします。

しかし、今回の暴落ではみんな下がってしまったので、ショートポジションが入ってなければ大損になってしまいます。今回は金もヘッジ機能を果たせていませんでした。ブリッジウォーターのAll Weather Fund(全天候型ファンド、前述)はこんな組み合わせになっているのではないかと推測しています。前出のように先週月曜日までで14%ダウンになっていたようです。

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ところで、ヘッジファンドの取り分は預かり金の数パーセントが管理手数料(マネージメントフィー)と20%ほどのインセンティブフィーから出来上がっています。もっとも無名のヘッジファンドであればマネージメントフィーは0でインセンティブフィーは10~15%位だろうと思われます。

ソロスが絶好調に時のインセンティブフィーは33%もありました。かつウェイティングリストもあり、なかなかソロスファンドに預けられないこともあったくらいです。インセンティブフィーというのはもちろんその年に出した利益に対して何10%ということになります。利益が出なければインセンティブフィーは支払われません。もっとも利益を出せないと顧客は資金を引き揚げてしまいます。

特に日本人は短期ですぐに利益が出ないと資金引き出してほかのファンドをという傾向があるようです。

ということで、ヘッジファンドは苦戦していますが、レイ・ダリオもついに負けてしまいました。こんなハイボラな暴落相場ですが、思わぬ利益を出し、ヘッジファンドマネージャーの代替わりが進む年になるかもしれません。

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